434)一心会系三瓶組若頭射殺事件でささやかれていること(22年1月31日)

1月17日の昼過ぎ、六代目山口組直参の能塚恵会長率いる一心会系三瓶組(水戸市)の神部達也若頭が何ものかに三瓶組本部で頭などを撃たれ、射殺された。
実行犯が1人だったのか複数だったのか、何組の誰が殺ったのかを含め、まだ警察発表がなく、詳細は不明である。ただ犯人も神部若頭に足を撃たれ、出血したが、そのまま神部若頭の車を奪い、埼玉まで逃走、車を乗り捨てたことまでは分かっている。
事件発生当初、下手人は絆會の者だという一報がネットなどで流れた。
というのは、昨年12月、絆會のA若頭補佐(日立市、平山組組長)が三瓶組から「お宅の若い者をさらって締めた。ガラを引き取りに来い」という電話を受けた。A若頭補佐は若い者1人だけを連れ、三瓶組に出かけたが、騙し討ちでたちまち数人に囲まれ、ついに「カタギになります」という一筆を書かされた。
これでA若頭補佐の心は折れ、次の日、神戸市内で開かれた絆会の事始めには不参加だったという。
こうしたやり取りが事実なら、絆会は一心会系三瓶組にやられたほぼ1カ月後、三瓶組に十分過ぎるほどの返しをしたことになる。それも相手の組事務所に単独で(あるいは少数で)乗り込み、事件の絵図を描いた当の若頭を確実に仕留めた、凄い仕事だと暴力団業界で評判を呼んだ、というのも肯ける。
事実、絆会本部は事件発生の夜、流れる情報に反応し、実行犯は不明だったが、「外出は控えるよう。万一外出する際には防弾チョッキ、防弾カバンを携行のこと。常在戦場が我々のモットーだ」と口頭通達し、今もってこの通達を解除していないという。
おそらく六代目山口組・高山清司若頭とすれば、分裂した側の主敵である神戸山口組の井上邦雄組長は完膚なきまでに傷めつけた。彼らにはすでにやり返す気力も残っていない。まして岡山の池田組や絆會は問題にするまでもないと踏んでいたところ、上述のストーリーを事実とするなら、絆會がどっこい牙を剥いたことになる。絆会と六代目山口組との関係は攻撃—報復というパターンだから「特定抗争指定暴力団」の要件を満たす。すでに六代目山口組と神戸山口組とは「特定抗争指定暴力団」の関係にある。
おかげで神戸市灘区篠原本町の山口組本部、本家さえ使えない。そこに持ってきて今回、絆會との間に特定抗争を追加指定されたら、本部、本家は永遠に使えないに等しい。
よって絆會がうちをやるなどあり得ることではない、神部若頭が殺られたのはあくまでも内輪もめだ、その結果だ、と六代目山口組側は急遽メディアやネットで流し始めた。
事件をうやむやにしたい、なかったことにしたいというのが高山若頭のホンネかもしれない。

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